映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を観て~人類の問題点は65年経っても変わらない~

ゴジラの人気は衰えを知りません!私が子供のときから現在まで、ゴジラファンには根強いものを感じます。2016年の公開された「シン・ゴジラ」は現在日本の官僚体制、自衛隊の在り方など、数々の問題を投げかけ、そのリアリティーさから、日本アカデミー賞最優秀作品賞まで受賞しています。

今回は、アメリカ映画として2014年に公開された「GODZILLA」の続編として製作されました。

ストーリーとしては、東宝で1964年に製作された、「三大怪獣 地球最大の決戦」をベースにしているように感じました。

★★★☆(3.5点)・・・5点満点

ストーリー的に楽しめるか?と問われれば、どうか?と思いますが、3DIMAXという音響効果により、迫力が倍増し、充分おとなでも楽しめる映画になっていると感じます。

また、ハリウッド版ということで、日本で製作された「シン・ゴジラ」ほどのリアリティーさはありませんが、地球環境の破壊、それに対する警鐘など、人類が直面している問題も描いており、考えさせられます。

ゴジラが誕生したのが、1954年。今年で、65年を迎えるわけですが、65年の時を経ても、人類が直面している問題点が変わっていないことに愕然としてしまいます。

映画「愛がなんだ」を観て~自然体が居心地がいい!~

本作品は、角田光代さん原作の小説の映画化です。私は、恋愛映画はあまり観ないのですが、予告編での主人公同士の会話が、あまりにリアル過ぎて、どんな展開になっていくのか?興味があって、観ることにしました。

角田光代さん原作の小説はこれまで何本も映画化、ドラマ化され、そのリアル感にいつもドキッとすることが多々ありましたので、本作品にも期待していました。

★★★3点・・・(5点満点)

起承転結がハッキリした映画ではないので、観る人によって感想は多々あると思います。感動するとか、ヤッタ~といった気持ちになるとか、ドキドキするとか、そんな気持ちになるような映画でもないと思います。

私がこの映画で感じたのは、みんな今を生きてるな~!ということです。ただ、好きという感情が強くなると、自分のことはさて置いて、好きな相手に合わせてしまう自分がいる。そこは共通?合わせられた相手は、それを逆に利用して、ちょっとわがままに振る舞ってしまう。ただ、時間が経ち、その関係性に変化が生じる。

何も考えず、ただ今を生きていた自分が、ちょっと相手の気持ちを考えてみたり、逆に、もっとわがままになったり・・・だから、自分は成長した!ということでもなく・・・

以前は、大人になるということ、人間として成長するということは、こういうこと、というなんとなくの定義があったような気がしますが、今どきはそれがハッキリしなくなったような気がします。

そんな自然体の姿勢が、居心地がいい!と思える映画でした。

映画「空母いぶき」を観て~平和な日本~

本作品は、かわぐちかいじ原作のマンガですが、私は読んでいません。単純な戦争映画なのか?全く予備知識もなく、映画を観てしまいました。

★★2点・・・(5点満点)

「戦闘」と「戦争」の違い・・・相手方からの攻撃に対しての防御を主体とした戦いは「戦闘」であり、こちらから積極的に攻撃するのは「戦争」ということで、相手国から仕掛けられた戦争に対して、日本の政治家、自衛隊がどのような対応をするのか?という非常に難しい問題を真正面から捉えている映画です。

テーマが重すぎるのと、戦闘シーンの緊迫感が、この映画を暗く、重くしており、その暗さを、「獣になれない私たち」というドラマでブラック企業の社長を演じて話題になった山内圭哉さん、コメディー的な演技が得意な小倉久寛さん、コンビニのチョット人が良すぎる店長役で出演されている中井貴一さんなどが、明るい方向に持っていきますが、ちょっと無理があったようです。

テーマがあまりにも重すぎるため、映画を楽しく観るために必要な「感情移入」「ハラハラ・ドキドキ感」といったものを、あまり感じることなく、終演してしまいました。

きっと原作のマンガは面白いと思いますので、残念です。

ただ、平和な日本がいいな!と思える映画でした。

映画「山下達郎シアター・ライブ/PERFORMANCE 1984-2012」を観て~完璧な音の再現性~

先日のブログで、山下達郎さんを、角松敏生さんと並び、日本のBESTコンポーザーとして選ばせていただきました。

山下達郎さんは66歳という年齢にもかかわらず、昨今は50公演近くのコンサートを毎年演っています。小田和正さんとは違い、アリーナクラスのコンサート会場では行わず、比較的小規模のホールで、公演回数多く演っています。

この映画は2012年に公開された映画の再演で、全編ほぼ、実際のコンサートのライブ映像です。1984年の画像もありますので、ちょっと古い感がりますが、サウンドはライブとは思えないほどの再現性を誇っています。

★★★★☆4.5点・・・(5点満点)

1980年台、私が学生だった頃、山下達郎さんのコンサートに行こうと、チケットを取ろうとしたところ、発売後すぐに完売となってしまったことを思い出しますが、その頃言われていたのは、彼の音に対するこだわりの強さです。確かその頃は、コンサート前ののリハーサルで、会場の音響に納得がいかないと、開演前に、コンサートをキャンセルしてしまうことがあったと思います。

それだけ音にこだわり持ってパーフォーマンスをする彼のシアター・ライブです。音楽ライブ映画としての完成度は今まで観たライブ映像とは比較にならないほどの完成度でした。

昨今は、ライブ映像をすぐにBlue-Rayとか、DVDにして販売してしまうミュージッシャンがほとんどですが、それをせず、映画館でライブ映像を楽しんでもらう。

これもひとつの山下達郎さんのこだわりではないか?と思います。

商業的には、おそらくBlue-Rayとか、DVDにして販売した方が、儲かると思いますが、映画館でのライブ映像、音響は、いかに大画面のテレビが自宅にあったとしても、その臨場感において、映画館のものにかないません。

物事は、妥協したらそれまで・・・プロと言われるものについては、妥協を許さない姿勢が評価されます。音楽に限らず、それは共通と思います。見習いたいですね!

映画「コンフィデンスマンJP」を観て~動機は重要~

先日公開された映画「コンフィデンスマンJP」を観てきました!

フジテレビ月9ドラマの映画化です。私は、ドラマは毎回録画して、観ていましたので、映画公開が楽しみでした。

もちろん、感動する映画、考えさせられる映画も好きですが、この映画のように、単純に出演俳優、ストーリー展開で惹きつける映画も好きです。

特に、ロバート・レッドフォードポール・ニューマンが共演した映画「スティング」もそうですが、詐欺を描いた映画の最後のドンデン返しが痛快でなりません。

★★★★4点・・・(5点満点)

この映画のポイントは、犯罪動機と思います。詐欺というものは犯罪ですが、その犯罪を犯す動機は?お金?復讐?社会への自己PR?など色々と考えられます。

その動機が重要です。動機の違いが、最後の結末を大きく変えます。

我々個々人の行動、考えも、その動機がなんであったのか?と基本に戻って考えることが非常に重要と思います。

得てして、人は目先のことだけ考え、行動してしまいがちです。そんな際には、敢えてもう一度、その動機を見直して原点に戻る。非常に重要なことと再認識させてくれる映画でした!

映画「ちはやふる」を観て~未来に向かって何かを夢見ていた自分を思い出し、泣けました~

映画「ちはやふる」3部作(上の句、下の句、結び)をイッキ観してしまいました!

原作は末次由紀著作の少女マンガですが、私は、原作は読んでいません。

また、競技かるたの世界を観るのも初めてでした。

ただ、主人公の高校生活の全てを、かるたに賭けた清々しさと、仲間の大切さに感動しました。

★★★★(4点)!・・・(5点満点)

映画では、主人公が高校1年生、2年生、3年生と進学していく様子が、そのまま「上の句」「下の句」「結び」で描かれています。大人と子供のちょうど端境期にあたる高校生活。

何事にも一生懸命でありながら、将来のことも同時に考え、ちょっと大人の気持ちもわかるような時期。人生で1番いいときです。

そこに、マイナーながらも?、歴史があり、意外とハードなスポーツである「かるた」を題材としたところに、この物語の面白さがあります。

映画の中で、印象に残った言葉があります。

・かるた部顧問の先生が、高校3年生になって、自分の将来の進路を決めなければいけなくなった生徒たちに伝えた言葉・・・

→チャンスにはドアノブがついていない。自分からは開けられない、誰かが開けてくれたときに、迷わずそこに飛び込んでいけるか?その心の準備ができているか?

・高校かるた部を創設した主人公が、高校3年生になって、入部してくれた1年生の2人の後輩に向けて、試合前に言う言葉・・・

→2人が入部してくれたとき、なんかとても素敵なことが始まったと思った!その意味が今日、やっと分かった気がする。この3年間、私はずっともらってばかりだった。抱えきれないほど、たくさんもらって、その全部が私を強くしてくれた。だから、今度は私があげる番。受け取ってくれる?

・これからの進路に迷って、それを見出すべく、かるた名人に弟子入りした「真島」(かるた部主将)に対して、名人が言った言葉・・・

→本当に強い人間が、周りをこそ強くする。後進には希望を、相手には敬意を、仲間には勇気を、時間も空間も超えて、永遠になる。

映画「オーヴァーロード」を観て~J・J・エイブラムスが仕掛ける戦争の恐怖体験~

この映画の題名の「オーヴァーロード」とは、第二次世界大戦下における、連合国軍によるドイツ占領国への侵攻作戦名を言うそうです。まさに本作品は、連合国軍のノルマンディー上陸作戦を決行する際に、一人の素直な、虫も殺せない黒人兵士が体験した、戦争恐怖体験を映画にしたものです。

2.5点・・・(5点満点)

この恐怖体験を、ヒットメーカーとして有名なプロデューサー J・J・エイブラムスが映画化すると、戦地での実体験以外に、ナチで行われていたかもしれない人体実験まで含めて演出し、単なる戦争映画に終わらせないところがさすが!と言ったところです。

この作品は、戦争におけるどうしようもない恐怖を描いていますので、主人公を含めて、同じ部隊の仲間、彼らを助けるフランス人の女性などは、逆に本当にいい人として演出しています。

その対比があるので、戦争における恐怖がより一層際立ちます。

このような映画を観ますと、よく分かります。それは両極端に人物像を描くからです。

人体実験をするナチスドイツ側:自分の国だけが繁栄すればいいという自己中心的な思考をする

よいひとたち:他人を助けるという自己犠牲的な思考をする

普段の生活の中では、ここまで両極端の思考にはなかなかありませんが、戦争という極限状態の中では、このどちらを選ぶか?否応なくさせられてしまうということです。

つくづく戦争が無い世界、平和な世界で暮らせることが幸せか・・・考えてしまいます。

映画「ザ・サークル」を観て~SNSの世界が行き着く先は?~

2017年に公開された本作品を観ました。デイヴ・エガーズ原作の小説の映画化とのこと。昨今のSNSの世界は今後、どのような方向に進むのか?また、エマ・ワトソントム・ハンクス主演ということで、期待された作品でしたが、この問題に深く入りきれなかったな・・・ということで、ちょっと残念な映画でした。

★★★☆3.5点・・・5点満点

おそらくこの問題は、経営者視点から描いていった方が分かりやすかったような気がします。本作品は従業員であるエマ・ワトソンの視点からの展開で状況が変わっていく様を描いていますが、それは一般人の立場からは理解しやすいこととは思います。

一方、経営者であるトム・ハンクスの立場から言うと・・・

基本的には、SNSから得た情報は金になる。ということに尽きます。

レアな情報、誰も知らない情報、人に知られたくない情報ほどお金になるのです。

そこで、従業員を懐柔し、従業員の秘密情報を得ることが最も手っ取り早いと考えるのが普通の経営者です。

ここに経営者としての葛藤があります。

人間として、経営者として、その双方の間でいつも葛藤しているのが経営者です。なかなかこのバランスをとるのが難しい。

難しいからこそ、やりがい、生きがいを感じる仕事なのでしょう。

そんな経営者としての観点というものを感じながら、同時に、身近な個人情報の漏洩ということを考えてみました。

チョット前、中国では乗り捨て放題のレンタル自転車(日本にもありますが)が流行りました。30分1元程度(現在の為替では16円程度でしょうか?)でしょうか?なぜこんな安い値段で管理ができるのか?とそのレンタル自転車運営会社に質問したところ、それぞれの自転車についているGPS情報を売っているからとの回答でした。

すなわち、自転車を借りるときは、事前に本人確認できる書類、データを提出していますので、自転車を借りた人がどこからどこに行ったというデータが全て残っています。このデータを調査会社などに売って、会社の利益にしているということです。

これは中国でのことですが、日本でも表には出ていませんが、個人の買物履歴、サイト閲覧履歴などは既に情報として活用されているようです。

ビッグデータの処理が可能になった現在では、情報が価値を容易に生む時代となっています。個人一人一人の情報管理が大切になっていることをヒシヒシと感じる映画でもありました。

映画「グレイテスト・ショーマン」を観て~わずか2時間で人生の起承転結を観れる映画は素晴らしい~

日本で、昨年2月に公開された「グレイテスト・ショーマン」を初めて観ました!

ウワサ通りの素晴らしい映画でした!

★★★★☆(4.5点)・・・5点満点

私がなぜこれまで、この映画を観なかったかというと、私は単純な音楽映画(ボヘミアンアプソディー、スター誕生など)は好きなのですが、歌って踊る映画はこれまで感動したことがなかったからです。

歌って踊る映画は、舞台のミュージカルを連想させ、宝塚?といったイメージが強くなってしまう・・・

この映画は、そんな偏見を見事に覆してくれるもので、感動しました。

主人公のP・T・バーナムは実在の人物ということで、彼の事業の成功と挫折、人間として本当に大切なことは?といったことを音楽に乗ってスピーディーに展開していくドラマは目が離せません。

この映画の中で、私なりに印象に残った言葉を書いておきたいと思います。

1)奥さんが事業展開の拡大を図る主人公に対して言う言葉・・・少しの善人の愛があればそれで充分よ

2)全てを失った主人公に対してサーカス台員たちが言う言葉・・・残ったのは、友情と愛と誇りの持てる仕事だけ

3)担保がなければお金を貸さない銀行の姿勢に対して・・・観客の笑顔、喜びが担保になればいいのに

4)最も崇高な芸術とは、人を幸せにすることだ

映画「シャザム!」を観て~欧米人の映画の楽しみ方~

この映画もDCコミックのヒーローものですが、ちょっと他のヒーローものと違うのは、普段は子供、ヒーローに変身すると、スーパーマン!というところでしょうか?

なので、変身したときは、身体、身体能力はスーパーマンなのに、言うことは子供というギャップが相当面白い!

★★★(3点)・・・5点満点

これまでになかったヒーローの誕生です。

昨今のマーベル、DCコミックを原作とするヒーローものの映画のヒットは目を見張るものがあります。

私の周りにアメリカン・コミックのヒーローが好きな方があまりいないので分かりませんが、映画館に足を運んで、映画を観ている周りの観客の反応を見てると面白いのが、日本人と欧米人の観客のい反応の違いです。

字幕では表現するのに限界があるのかもしれませんが、アメリカンジョークと言われるものがあります。本作品もこのようなジョークを言っているだろな?と思われるシーンがありますが、日本人にはよくわからない?だから、何のリアクションもありませんが、欧米人の方たちは、シーンとした場内であっても、大笑いするか、手を叩いて「イエー」と言うか、そのリアクションは超大袈裟です。

アメリカンジョークに限らず、ヒーローがこれから悪者をやっつけるだろうというシーンでも、手を叩いて「イエー」とか、「Go GO」とか言っています。

感情表現が得意な欧米人と不得意な日本人と言ってしまえば、それまでですが、それだけではないように思います。彼らは、お金を払って、楽しい時間を買っているのだから、その時間を目一杯楽しもうとする精神が強いような気がします。なので、周りのことは気にならない。多少騒いでも、その方が盛り上がっていい!さあ!一緒に楽しもうぜ!という気持ちなのだと思います。

今を楽しむ。今が楽しいから、明日も楽しい!これが原点のような気がします。