映画「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」を観て~スピンオフ作品ですが、真髄は変わらない!~

「ワイルド・スピード」シリーズに途中から参戦したドウエイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスとジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウの2人が主人公となるシリーズスピンオフ作品「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」を観てきました!

先般のブログで、このシリーズが続く理由を解説しましたが、スピンオフ作品と言えども、その真髄を外さないこの作品は素晴らしい!

★★★★4点・・・(満点5点)

1)アクション 2)友情 3)家族 4)カーチェイスシーンの迫力

スケール的にはドンドン大きくなって、世界の危機から救うといったコンセプトになってきていますが、あくまでもこの物語のベースが家族、友達との信頼関係の上に成り立たせていることが、このシリーズが長く続いている理由と思います。

その点、同じように長く続いている「007」「ミッション・インポッシブル」シリーズとは、まったく違います。

これは時代を反映して?かどうか?分かりませんが、実生活での人間関係が今より濃厚であった一昔前は、逆に映画という仮想現実の世界では、「カッコ良さ」を映画の主人公に求めましたが、今は実生活での人間関係が希薄なので、映画では濃厚な人間関係を求めるといったことなのかな?と考えたりします。

ともあれ、主人公の危機を救うのは、家族・・・という本作品は原点に帰った気持ちにさせられ、清々しさを感じます。

映画「サマー・オブ・84」を観て~子供の頃の素直なココロで見ることを忘れない~

「スタンド・バイ・ミー」「E.T.」が公開された1980年代にオマージュを捧げた15歳の少年たちが主人公の映画「サマー・オブ・84」を観てきました!

素直なココロの目で見た子供たちの思いを、親をはじめ固定概念を持った大人たちがそれを踏みにじったために起こるひと夏の惨劇。それは永遠に少年のココロに残るとんでもない出来事であった・・・というようなストーリーです。

★★★☆3.5点・・・(5点満点)

少年の頃の純粋なココロを持ち続けるのは、なかなか難しいとは思います。ただ、大人になったとき、そのようなココロを持っていた自分を思い出し、少年の言葉に素直に耳を傾けることが重要と思います。

歳を重ねると、頭が固くなる・・・とよく言われますが、これは、人により千差万別と思います。ただ、悲しいかな、心がけていないと、すぐに自分の経験のみで判断するのが人間です。

その判断で、一生、子供のココロが傷ついてしまう・・・そんなことを思うと、気を引き締めなければとつくづく感じます。

映画「スリー・ビルボード」を観て~田舎町が舞台の重い映画をカッコ良く製作できるアメリカ映画って・・・すごい!~

2017年に公開され、アカデミー賞の主演女優賞、助演男優賞の2部門を獲得した「スリー・ビルボード」を観ました!

重厚な映画、設定が完璧な映画、それに配役されている俳優の演技など、映画開始10分ほどで、それがすべて伝わって来る映画は素晴らしい!まさに本作はそのような映画です。

★★★★☆4.5点・・・(5点満点)

仕事をしない田舎の警察、差別主義が未だにはびこる南部の田舎町、住人が少ないので、しょっちゅう顔を合わせる隣人関係などなど、日本の田舎と同じようなシチュエーションの中で、突如として、そのベタベタの関係を崩そうとする異端児が現れたら・・・娘の死をキッカケにそこに「カツを入れる」女性の登場。

そして、自分の死によって、本心を手紙という形で伝える警察署長。

この2人が、少しづつ周りの人のココロを変えていく・・・

シチュエーションが重たい映画ですが、主要な場面で使われるカントリー・ミュージックがその場の雰囲気を和らげます。

日本でこのような映画は製作できないと思います。どこかにコメディー要素を入れればできるとは思いますが、なかなか難しいでしょう。

なぜか?

私は、アメリカと日本の国の成り立ちの違いにあるような気がします。アメリカは移民の国、日本は大和民族の国。移民の国は、言葉の表現の仕方、考え方など、すべての切り口が鋭い、一方、単一民族国家は、表現の仕方一つとってみても、どこか柔らかい?優しい?といった感じがします。

どちらがいいとは、一概に言えませんが、切り口鋭いアメリカ映画好きの私としては、久々に勇気をもらえる映画でした。

映画「アルキメデスの大戦」を観て~何かに秀でることは素晴らしい!~

先日公開された映画「アルキメデスの大戦」を観てきました!原作は三田紀房さんのマンガです。私はマンガは読んでいません。

この映画のキャッチフレーズは、数学で戦争を止めようとした男の物語ということで、戦闘シーンが多い戦争映画とは違い、静(セイ)の中での、熱意を全面に押し出した映画となっています。

従いまして、主人公の苦悩、情熱が画面上にほとばしり出るくらいの演技が要求される中、菅田将暉はまさにそれにうってつけの役者ではなかったかと思います。

★★★☆3.5点・・・(5点満点)

日露戦争、第一次世界大戦を経て、第二次世界大戦に参戦した日本は、勝利する見込みのない戦争に、軍主導の名誉とプライドだけで、臨んでいった・・・

日露戦争のときは、大国ロシアを相手に、実戦と外交の両面作戦で、なんとか勝利した日本と第二次世界大戦に参戦した日本の軍部、国民感情があまりにも違う。ほんの数年で、なぜこんなに変わってしまったのか?色々な要因分析がされていますが、事実として、変わってしまった。

保身、名誉、プライド、見栄、お金・・・これらすべてが複合し、人の目を曇らす。「曇らない目で事実を直視し、信念で生ききる」ことが、いかに大事かと思います。

映画「ハッピー・デス・デイ」「ハッピー・デス・デイU2」を観て~タイムループホラー映画?の最高傑作~

現在公開されている「ハッピー・デス・デイ」とその続編「ハッピー・デス・デイU2」の2作品を観ました!

ポスターからは単なるホラー映画と思っていましたが、全く違いました!驚きです。また、この2作品は後者が続編になり、物語が続いているのですが、結末(犯人)が違うという・・・まさに時空を超えた設定に唖然としてしまいます。

★★★★☆4.5点・・・(5点満点)

違う時空に別の自分がいる、その時空では、家族も、友達も同じ人がいたり、いなかったりと、変わっていく。ただ、自分の記憶だけは今、ここにいる自分のものとして残っている。

映画を観ていただかないと、なかなか設定を説明できませんが、繰り返されるタイムループの中で、自己成長を遂げていく主人公の変化が面白い。

最初は自己チューの、最低女だった主人公が、後半には、両親、友達思いのいい子に!

まさに、経験が人を成長させる!といった基本的なことがよく分かる映画となっています。

8月1日までの公開予定とのことですので、お時間ある方には鑑賞をオススメします!

映画「工作 黒金星(ブラックビーナス)と呼ばれた男」を観て~国境を超えた男の友情~

1992年、北朝鮮の核開発疑惑が問題となっていた時期、韓国側のスパイとして、北朝鮮に潜入していた「黒金星(ブラックビーナス)」と呼ばれていた実在の人物の物語です。

在りし日の金日成はじめ、平壌など、画面から受けるリアリティ感は半端ありません。また、元は1つの国であり、イデオロギーの違いから北と南に分かれざるを得なくなった事情を抱えながらも、同じ言語を話す同胞として、南北の国境を超えて、最後には友情を育む演出には感動します。

アクションシーンなしのスパイ映画として、その心理合戦は十分堪能できます。

★★★★4点・・・(5点満点)

日本と韓国間の認識の違いから、昨今は微妙な関係になりつつある双方の国ですが、過去のことは、「反省するが、後悔しない」という私の考えからすれば、「反省することで、将来をより良きものにする」ということで、お互いが認識できれば、いい方向に進んでいくのではないでしょうか?

国家、会社など置かれている立場で物事の考え方が変わるのは致し方がない面もあります。ただ、基本はイチ個人。その原点に帰ってプライドとか、見栄とかを捨てて、信念で向かい合えば、自ずと選択すべき道が見えてくるのではないでしょうか?

映画「天気の子」を観て~「君の名は。」と共通する世界観に魅了されました~

2016年に公開されて大ヒットした映画「君の名は。」を監督した新海誠監督の最新作「天気の子」を観てきました!

私は、「君の名は。」の世界観と音楽、スピーディなストーリー展開が好きでしたので、今作品も同じ新海監督、RADWINPS音楽ということで、期待しておりました。

★★★☆3.5点・・・(5点満点)

世界観、音楽とも素晴らしい!と言えると思いますが、10代の家出少年と、弟と2人暮らしをしている10代の女の子の物語であり、そこに地球環境を絡めている設定は、昨今の世相を反映しているものの、なかなかハードルが高い設定ではなかったか?と思います。ストーリー展開において、設定が現代っぽ過ぎて、せっかく「祈る」ことで、天気を晴れにできる女の子というアニメーションならではフィクションが、しっくりと来ない感じが最後まで残りました。

昨今は、ディズニー映画を中心として、従来のアニメを実写版にすることが多いですが、私は、わざわざ実写にすることはないのに・・・と思います。アニメならではの、設定、表現方法など特質すべきことが多くあり、それは実写では伝えきれません。単にネタ不足?ということでしょうか?

アニメーションならではの・・・ということを忘れてはいけないと思います。

これは、自分とか、会社も同じと思います。自分だからこそ、この会社だからこそ、という原点を忘れてはならない。重要なことと思います。

映画「新聞記者」を観て~まさに日本の政治と国民の関係~

チョット後味の悪い映画を観てしまいました。フィクションと言いながらも、映画の中で描かれているのは、まさに現政権下で起きた政治スキャンダルが題材となっていると思われます。

★★★☆3.5点・・・(満点5点)

後味が悪いと書いたのは、エンディングの場面の意味が理解できず、結局、真実を報道した新聞記者が、逆に追い詰められてしまうのでは?といったこと?と考えてしまうからです。

アメリカ映画では、古くは「大統領の陰謀」、昨今は「バイス」「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」で、政治スキャンダルものは数多く取り上げられてきましたが、日本ではまったく珍しい!

自分の意見をハッキリ言うのが不得意で、目立つと頭を叩かれる日本国民。SNSがこれだけ発達した世界での情報操作はある意味、簡単にできてしまうし、何が真実?と考えさせられてしまいます。

冷静に状況を分析し、自分の意見をハッキリと言う。そして、議論を戦わせる。まずは議論する場所に立たないとダメです。昨今は、その場所に立つことを拒否する人がいかに多いことか・・・

逃げていては、何も始まらない!

そんなことを再認識する映画でした!

映画「ゴールデン・リバー」を観て~ヒーローのいない西部劇~

先日公開された映画「ゴールデン・リバー」を観てきました!予告編などでは、ウエスタン(西部劇)とサスペンスの融合などという言葉?で宣伝されていましたが、さっぱり意味がわかりませんでした。そもそも、私が子供の頃観ていたウエスタン(西部劇)は、「荒野の7人」「夕陽のガンマン」「荒野の用心棒」「シェーン」などカッコいい主人公が弱い民衆を助けるといった図式の映画ばかりでした。

ところが、昨今のウエスタン(西部劇)はカッコ良さより、まるで現代劇のような人の心の奥底まで入り込んだ?欲望丸出し?といった人間の深層心理を突くような作品が多いような気がします。

本作品も銃撃シーンはありますが、砂金採掘に魅せられた男たちの欲望と、友情と、兄弟愛のようなものを中心に描かれています。

従ってサスペンス?といったジャンルの映画ではないと思います。

★★☆2.5点・・・(5点満点)

点数が低いのは、日本の広告宣伝文句も困ったように、何が言いたかった?何を表現したかった?ということが分からない映画だったからです。約2時間の上演時間で、楽しかったという感情だけでも残れば映画としては成功だと思いますが、本作品は???で終わってしまう・・・原作がミステリーとして高い評価を受けているようですが・・・私にはよくわかりませんでした。

映画「さらば愛しきアウトロー」を観て~俳優ロバート・レッドフォード最後の主演作~

私は、俳優ロバート・レッドフォードポール・ニューマンが共演した「明日に向かって撃て」「スティング」という2本の映画が大好きです。映画としてのテイストは違いますが、2本とも彼らの掛け合い、お互いがお互いを際立たせる個性の演出といったものが素晴らしい!と感じます。

★★★3点・・・(5点満点)

ロバート・レッドフォードも、82歳。監督としての実績の方が有名になってしまったかもしれませんが、本作品は、彼の俳優人生最後の作品にふさわしく、明るく、優しく、飄々とした実在の人物を演じています。その点、先般89歳になったクリント・イーストウッドが主演・監督した「運び屋」とは全く違うアプローチで、人物像を表現しています。

作品の創作者として、(最後に)何を残すか?

紆余曲折する人生の中で、自分という人間の個性はどんどん変化しています。子供のころの自分と、今の自分では、考え方も行動パターンも変わっていると思います。ただ、自分の生きてきた歴史を俯瞰的に見てみると、自分の個性がそこに、滲み出てくるような気がします。

時間があれば、皆さまにもこれまでの自分の人生を俯瞰的に見る機会を作ることをおすすめします。

そこには、まさに自分という人間の足跡があり、これからの自分も見えてくるように思います。