映画「スリー・ビルボード」を観て~田舎町が舞台の重い映画をカッコ良く製作できるアメリカ映画って・・・すごい!~

2017年に公開され、アカデミー賞の主演女優賞、助演男優賞の2部門を獲得した「スリー・ビルボード」を観ました!

重厚な映画、設定が完璧な映画、それに配役されている俳優の演技など、映画開始10分ほどで、それがすべて伝わって来る映画は素晴らしい!まさに本作はそのような映画です。

★★★★☆4.5点・・・(5点満点)

仕事をしない田舎の警察、差別主義が未だにはびこる南部の田舎町、住人が少ないので、しょっちゅう顔を合わせる隣人関係などなど、日本の田舎と同じようなシチュエーションの中で、突如として、そのベタベタの関係を崩そうとする異端児が現れたら・・・娘の死をキッカケにそこに「カツを入れる」女性の登場。

そして、自分の死によって、本心を手紙という形で伝える警察署長。

この2人が、少しづつ周りの人のココロを変えていく・・・

シチュエーションが重たい映画ですが、主要な場面で使われるカントリー・ミュージックがその場の雰囲気を和らげます。

日本でこのような映画は製作できないと思います。どこかにコメディー要素を入れればできるとは思いますが、なかなか難しいでしょう。

なぜか?

私は、アメリカと日本の国の成り立ちの違いにあるような気がします。アメリカは移民の国、日本は大和民族の国。移民の国は、言葉の表現の仕方、考え方など、すべての切り口が鋭い、一方、単一民族国家は、表現の仕方一つとってみても、どこか柔らかい?優しい?といった感じがします。

どちらがいいとは、一概に言えませんが、切り口鋭いアメリカ映画好きの私としては、久々に勇気をもらえる映画でした。