映画「凪待ち」を観て~周りの人にめぐまれたダメダメ男の物語~

先日公開された香取慎吾主演、白石和彌監督の「凪待ち」を観てきました!白石和彌監督は「孤狼の血」という映画を観て気に入っていましたし、ネット上の映画評価も高かったのですが・・・残念ながら???といった感じでした。

ネットの評価をよく読んでみますと、ほとんどがアイドルを捨てた香取慎吾の演技に感動した!という評価がほとんどで・・・

★★☆2.5点・・・(5点満点)

監督がなぜ香取慎吾さんを主役に選んだか?はわかりませんが、テレビから受ける昨今の彼の印象は、年齢的にもアイドルは過ぎているわけで、どちらかと言えば中年といった年代になっています。これまでの活躍は扠置いて、中年の男性として、彼を見た場合、ダメダメ男がサマになるな~とは思っていました。(ファンの方、すみません!)

なので、彼の演技については、サマになって、素晴らしいとは思いますが、周りの人に甘え、それが震災の津波被害の漁村を舞台にして、微妙に津波被害と結びつけているところに、これは何が言いたい映画?といった感じになってしまいました。

映画のポスターに書いてある「誰が殺したのか?」「なぜ殺したのか?」はおそらく監督が意図した問いかけとは全く関係ないのでは?と思わざる終えません。

香取慎吾さんの主役のハマり感がGOOD!にもかかわらず、その他に???がついてしまって、勿体無い映画でした・・・

映画「未来のミライ」を観て~アニメの世界を借りた現実的家族関係~

昨年8月に劇場公開された「未来のミライ」というアニメーション映画を観ました!民放でも再来週の7月19日には地上波初放送ということです!

先日観た「スパイダーマン:スパイダーバース」というアニメのエンターテイメント性で魅せる映画とは全く異なり、現実世界に即したファンタジーといった感じでしょうか?

★★★3点・・・(5点満点)

これまで観た日本アニメで、その世界観がこれまでのアニメと違うと感じたのは、「君の名は。」くらいです。

本作品では、親子関係、夫婦関係、祖父祖母との関係などいわゆる家族関係を現実の世界と夢?ファンタジー?の世界を行き来することで、描いています。これはアニメの世界だからこそできることですし、現実世界と一旦離れることで、より現実世界を認識できるといったことがあると思います。

ただ、私としては、もっと現実逃避した描き方をした方が楽しいのではないか?と感じます。

私は「君の名は。」の世界観が好きです。現実ではあり得ないでしょ!といった感じくらいで丁度よいように思います。その方が、観ていて、ワクワク感、ドキドキ感があり、2時間の上映時間がアッと言う間に過ぎてしまいます。

映像表現の仕方はいろいろありますが、映画というものは、1本約2時間の上映時間しかないわけですから、その時間を楽しみ、観客それぞれが好きに観た映画を解釈できるように、余裕を持って製作することが重要なのではないでしょうか?

日常生活、仕事、あらゆることに、「少しの余裕」は重要です。

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を観て~意志の継続~

映画「スパイダーマン」の最新作を観てきました!

★★★☆3.5点・・・(5点満点)

アベンジャーズに出てくるヒーローたちの映画は、そのヒーローが違っても映画のストーリーは続いているので、1本でも見逃すと、ストーリーが?になってしまうように製作されています。

従って、本作品もアベンジャーズ最新作(アベンジャーズ最後の作品)を観ていないと、???というストーリーになってしまいます。

アベンジャーズを牽引していたアイアンマン亡きあと、その意志を託されたまだ高校生の「スパイダーマン」が本作品では主人公ですが、まだ若い彼が世界を守るヒーローになるのか?まだまだこれからもストーリーは続くようです。

誰かに自分の夢、できなかったことを託す・・・

この映画では、アイアンマンが残したドローンを使った破壊兵器?を引き継ぐことが一部描かれていますが、本来引き継ぐのは、夢とか思いだけでいいはずです。このような兵器、いわゆる資産は必要ないです。

資産を後世に引き継ぐことは、できればいいですが、実際の社会では、相続税の支払い、相続人同士の争いなどで、結局は無くなってしまいます。余計な時間と手間の浪費に終わることが多いような気がします。

夢と思い・・・託す側も、託される側も、覚悟を持ってこれを受け渡しできれば、その意志は継続できると思います。「意志の継続」これこそが最も重要なことと思います。

映画「アンノウン・ソルジャー英雄なき戦場」を観て~フィンランドを守った一般兵の物語~

私は戦争映画は好きではありませんが、第二次世界大戦下において、フィンランドという、あまり表舞台には立たない国がこの時、どのように大陸間戦争を行ったのか?ということには興味がありました。

★★★★4点・・・(5点満点)

日本の第二次世界大戦とは違い、大陸間での侵略戦争ですので、何か戦闘で実績を上げると、1週間、2週間とか休暇が与えられ、家に帰ることができる・・・太平洋戦争では思いもよらないことです。でも、逆に辛いですね。1週間などはアッという間に過ぎてしまうので、また戦地に旅立つときが物凄く辛い。

そんな家族との時間と、戦争の両面をこの映画は淡々と、描いています。淡々としているから、その切なさがすごく伝わってきます。愛する女性、親、子どもたちとの別れ、それに対し、ひどい環境下でのいつまで続くかわからない緊張状態。

戦闘シーンの迫力も実際の爆薬を使用してロケをしたとのこと。よくあるVFXを使用してのシーン撮影と違い、その生々しさ、臨場感はすごいです。

戦争というもので、引き裂かれる家族のやるせなさ、悲しさ・・・絶対に戦争などという愚行はしてはならないという気持ちになります。

映画「X-MEN ダーク・フェニックス」を観て~ダークサイドから救うのは家族~

X-MENシリーズはこれが最後になるとのことで、観てきました!

原作はアメリカン・コミックスということで、これまで本作品を入れると7作品(スピンオフ作品は除く)が製作されています。

★★★3点・・・(5点満点)

X-MENシリーズは、同じアメリカン・コミックスよくアベンジャーズシリーズと対比されますが、私はX-MENシリーズの方が好きです。それは、ヒーローものとしては同じですが、X-MENシリーズの方が、人間(人間と言っていいのかわかりません・・・ミュータント)としての内面を深く掘り下げることを主体として描いているからです。

本作品も、ジーンという特殊能力を持つ女性が宇宙での事故をキッカケに、自分の能力を制御できなくなったことから始まります。でもそもそものキッカケは幼少期での両親との別れ、その後、彼女を守ろうとした家族の存在に彼女自身が気づき・・・ということで、物語は進みます。

人間は、自分のことを愛する人の存在に無頓着になりがちなことが多いような気がします。特に、親子という関係は、自分が選んだ関係ではなく、生まれた当初から関係付けられたものなので、難しい面が多いのではないでしょうか?ただ、それに気付き、感謝する気持ちが持ってこそ自立した大人(おとな)と言えるのだと思います。

映画「ザ・ファブル」を観て~幼少期での経験は重要~

原作がマンガの本作品を観てきました!日本の映画は本当に、マンガが原作の映画が多い!

シリアスな役どころが多い岡田准一さんのハジケぶりが半端ないので、そのギャップ感だけでも充分に楽しめる映画になっていると思います。

★★★☆3.5点・・・(5点満点)

殺し屋に育てられた主人公が成長して「伝説の殺し屋」となるが、幼少期の過酷な訓練で、世の中の常識を知ることなく育ってしまう。

常識を知らないことが、喜劇であり、彼の面白い行動を引き出す。ただ、主人公にとっては普通のことであり、面白い行動とはまったく思っていない。大人ですが、まるで子供のようにひとつひとつの行動、考えを学んでいく。全てに真面目に。

幼少期の経験は重要であり、自分の考え、行動の基礎を作っていますが、それに固執している人が多いような気がします。私は変化する自分、人が好きです。状況なり、時代はドンドン変わっていきます。その中で、自分だけは変わらないなんてことは、ありえません。

個性として持っていて、長所となるものは不変でよいと思いますが、自分でもこれでいいのかな?とちょっとでも思うことはドンドン変えていくこと。昨日よりも今日の自分にコミットしましょう!

映画「劇場版ファイナルファンタジーⅩⅣ 光のお父さん」を観て~家族の原点はお父さん~

久し振りに感動して、涙する映画でした!

★★★★★5点満点!!!

私の父は日本の高度成長時代を支えた商社マンでしたので、ほとんど家にいませんでした。半年、1年海外出張は当たり前の世界でした。なので、たまに家にいると、会話もなく、存在が鬱陶しかった思いがあります。

この映画のお父さんも、単身赴任で、仕事一筋のお父さん。そんなお父さんが会社を辞めて家にいたら、本来は家族にとっては鬱陶しい存在のはずですが、この家族は息子を中心に、お父さんとのコミュニケーションを図ろうとするところが素晴らしいです!ただ、お互いが長年わからないまま、家族という形の中で一緒に暮らしていた・・・その溝を埋めたので、ファイナルファンタジーⅩⅣのキャラです。

そもそも家族であっても、個人の集まりです。それぞれの性格も違います。ただ、世界で物理的には一番近しい存在。拒絶するのは簡単ですが、歩み寄ってお互いを理解する姿勢がまず必要なのでしょう。

逆に言えば、近しいからこそ、許せない!と思う部分も出てくるとは思います。

本作品はもともと、ブログ上の日記が人気になり、書籍化、ドラマ化、映画化という道のりを辿って完成したとのことですが、ベースにあるのは、そんな家族を作ったお父さんが一番スゴイ!と家族が思っていることです。お父さんが家にいるとか、家事手伝いをしてくれるとか、子供の面倒をよくみてくれるとか、それらのことも大事ですが、もっと大事なのは、お父さんの大きくて、広い背中です。

この映画を観て、そんな思いでいっぱいになりました。

映画「メン・イン・ブラック」を観て~スピルバーグ流地球人とエイリアンの交流~

映画「メン・イン・ブラック」は1997年から現在まで4作品が映画になっています。製作がこんなに飛び飛びになって続いている映画も珍しいのではないでしょうか?

演じている俳優は変わっても、この映画が続く理由は、コミカルで、かわいいエイリアンたちが主役の映画だからです。

★★★☆3.5点・・・5点満点

本作品は地球人とエイリアンたちの共存共栄が描かれています。エイリアンの中には地球への侵略を企む悪者もいますが、この映画に出てくるエイリアンたちはほとんどが平和的です。

魅力的なエイリアンたちを見ていて、最も感じるのは現在の地球上で起こっている大国間の覇権争いです。

もちろん現代におけるその中心は、アメリカと中国ですが、貿易を巡る関税の問題など・・・もう少し自国だけに限らず、世界的に共存共栄を図る方法はないのか?自分だけ良くなってもしょうがないはず・・・と考えてしまいます。

とは言え、本作品は、映画として充分エンターテイメント性があるので、難しいことは考えず、頭を空っぽにして観てみるのがいいと思います。

映画「ザ・クロッシングPartⅠ&Ⅱ」を観て~歴史的背景のある映画は面白い!~

2014年に中国で製作されたジョン・ウー監督の作品です。第二次世界大戦以後の中国本土での中国国民党と共産党の内乱の中、運命を翻弄された男女3組の物語です。最後には、上海と台湾を結んでいた大型客船「太平輪」の沈没で、約1,000人の死者を出すなか、この3組の男女の運命は・・・

★★★★4点・・・(5点満点)

ジョン・ウー監督作品は「レッドクリフ」「男たちの挽歌」「ミッション:インポッシブル2」など彼特有の映像表現(アクションシーンでも、どこかに哀愁を感じる映像表現)が私は好きです。特に本作品は、「レッドクリフ」と同じように、史実をベースに創作され、金城 武、長澤まさみ、黒木 瞳といった日本人俳優も出演しています。

私は、上海に住んでいたこともあり、中国に対しては、ちょっとした思い入れがありますが、史実に関しては、高校の世界史で勉強した程度の知識しかありません。

ただ、残っている万里の長城などの建造物を見ますと(私も実際には見ておりません)その歴史の長さ、様々な争いの歴史が垣間見えます。

第二次世界大戦での中国と日本の戦争、中国国民党と共産党の内乱、日本が統治していた台湾、上海から台湾に渡った中国国民といった歴史的な背景を少し知ることで、現在のそれぞれの国家関係が理解できます。

「愛」をベースに、現在の中国が映画として公開されたくなかった史実を描いた本作品は、中国という国を理解する上でも、観ておくべき作品と思います。

映画「のみとり侍」が面白い!~江戸庶民の生活にみる人情の機微~

「のみとり侍」は、1年前に公開された映画ですが、先日、テレビで放映されたものを観ました!

原作は歴史小説家の小松重男さんによって書かれた短編集になります。

「のみとり侍」?江戸時代が舞台の単なるコメディ?としか思っていませんでしたが、実は、江戸時代を生きる庶民と、侍の世界を人情で結びつけた非常に面白い映画でした!

★★★★★(5点)・・・5点満点・・・今年2本目の満点映画です!

「のみとり」とは、お客さんの飼い猫の蚤をとって日銭を稼ぐ、江戸時代に実際にあった職業。しかし、その実態は女性に愛を奉仕する裏稼業・・・。侍であった阿部寛さん演じる藩士が、藩主の逆鱗に触れ、この仕事をすることに。

紆余曲折の末、最後には藩主に認められ、藩政の要職に返り咲くことになるのですが、彼が認められたのは、藩主の命令を愚直にきいた素直さと、剣の使い手でも、女性への愛の奉仕活動においても、一流の技術を習得した熱心さがあったからだと思います。

素直さ、熱心さ、この2つはどんなときでも、非常に重要なものです。

また、昨今の日常生活ではあまり感られなくなった、「恥ずかしいことでも明るく笑って、笑い飛ばす!」「人から受けた優しさをお返しする」といった江戸庶民の生活ぶりに心温まるものを感じました。

ぜひ時間があれば鑑賞ください!オススメです!