2017年に公開された本作品を観ました。デイヴ・エガーズ原作の小説の映画化とのこと。昨今のSNSの世界は今後、どのような方向に進むのか?また、エマ・ワトソン、トム・ハンクス主演ということで、期待された作品でしたが、この問題に深く入りきれなかったな・・・ということで、ちょっと残念な映画でした。
★★★☆3.5点・・・5点満点
おそらくこの問題は、経営者視点から描いていった方が分かりやすかったような気がします。本作品は従業員であるエマ・ワトソンの視点からの展開で状況が変わっていく様を描いていますが、それは一般人の立場からは理解しやすいこととは思います。
一方、経営者であるトム・ハンクスの立場から言うと・・・
基本的には、SNSから得た情報は金になる。ということに尽きます。
レアな情報、誰も知らない情報、人に知られたくない情報ほどお金になるのです。
そこで、従業員を懐柔し、従業員の秘密情報を得ることが最も手っ取り早いと考えるのが普通の経営者です。
ここに経営者としての葛藤があります。
人間として、経営者として、その双方の間でいつも葛藤しているのが経営者です。なかなかこのバランスをとるのが難しい。
難しいからこそ、やりがい、生きがいを感じる仕事なのでしょう。
そんな経営者としての観点というものを感じながら、同時に、身近な個人情報の漏洩ということを考えてみました。
チョット前、中国では乗り捨て放題のレンタル自転車(日本にもありますが)が流行りました。30分1元程度(現在の為替では16円程度でしょうか?)でしょうか?なぜこんな安い値段で管理ができるのか?とそのレンタル自転車運営会社に質問したところ、それぞれの自転車についているGPS情報を売っているからとの回答でした。
すなわち、自転車を借りるときは、事前に本人確認できる書類、データを提出していますので、自転車を借りた人がどこからどこに行ったというデータが全て残っています。このデータを調査会社などに売って、会社の利益にしているということです。
これは中国でのことですが、日本でも表には出ていませんが、個人の買物履歴、サイト閲覧履歴などは既に情報として活用されているようです。
ビッグデータの処理が可能になった現在では、情報が価値を容易に生む時代となっています。個人一人一人の情報管理が大切になっていることをヒシヒシと感じる映画でもありました。