映画「レッド・スパロー」を観て

昨年公開されたジェニファー・ローレンス主演のスパイ映画です。舞台はロシア。バレリーナを夢見ていた主人公が、故意の事故で、その夢を断念せざる負えなくなり、叔父の推薦でロシアスパイ養成所に送られる。そこは自分の身体を武器に、敵国のスパイを誘惑し、情報を獲得する行為を教育するという、とんでもない施設だった・・・才能ある彼女は見事にその地獄から自分の才能を開花させ、その施設に送り込んだ叔父への復讐、ロシアでの自分の地位の確立、そして、好意を抱いたアメリカ人スパイへの感謝のしるしといったこと、全てをやってのけることになります。

★★★★・・・自分の考え、行動に変化をもたらすようなことだが、ショックを受けるまでにはいかないことの場合。

結局、主人公は自分の思い、祖国ロシアでの自分の地位の確立、敵国アメリカへの配慮といったすべてをやってのけることになるのですが、彼女に関わる人たちは皆、彼女に対して「お前は才能がある。だから、絶対、この命令を達成できる」と言います。

この才能があるという言葉は、どういうことでしょうしょうか?先般、読んだ坪田信貴著作「才能の正体」の書評でも書きましたが・・・

1)病気の母を養うためには、お金が必要。そのお金を得るために、彼女はバレリーナを目指すが、夢叶わず、断念せざる負えない状況に。ただ、とんでもない養成所に入れられた彼女は、なんとかそこから這い上がる。その根底にあるのは、どんな状況に追い込まれようとも、決して諦めない心。

2)そして、決して諦めない心から頭をフル回転させて、そこから脱出し、復讐も、祖国も、敵国に対してさえも、自分を認めさせる方法を考え抜く。考え抜くからこそ、才能と言われる洞察力、先見性が見事に開花し、目的を達成することができた。

この才能の方程式が重要です!

~になりたい、~したい、という思い⇒この思いを達成しようとする、決して諦めない心⇒心の思いが頭と身体を動かす⇒才能があると言われる洞察力、先見性が開花する⇒自分の目的を達成することができる。

このような観点で、映画を観ますと、いつもの10倍は面白いと思います!

坪田信貴著作「才能の正体」を読んで

坪田信貴氏は「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(『ビリギャル』)を書いた著者です。私はこの本は読んだことはありませんが、有村架純主演の映画は観ました。なので、坪田氏は塾の先生くらいの認識しかありませんでしたが、本書を読んで、人材教育、組織論まで広範囲の認識の深さに驚きました。

★★★★・・・自分の考え、行動に変化をもたらすようなことだが、ショックを受けるまでにはいかないことの場合。

そして、才能の正体は「洞察力」と言われたことに、私も、正にその通り!と相槌を打ちたくなりました。

これは、年末年始に観た映画のひとつ「女神の見えざる手」の主人公が言っていることと同じです。アメリカ政界の黒幕的な動きをするロビイストの活躍を追った物語です。エリート中のエリートであるロビイストとして活躍できる能力は、先見性、洞察力とのこと。

「洞察力」とは、物事を深く鋭く観察し、その本質や奥底にあるものを見抜くことであり、観察しただけでは見えないものを直感的に見抜いて判断する能力のことを言います。

では、この「洞察力」はどのようにすれば、能力を上げることができるのか?

坪田氏は、能力を劇的&確実に上げたいなら、できる人の「考え方」や「ノウハウ」でなく「行動」を完コピしろ!と言っています。

これまでの私の人生を振り返ってみますと、いわゆる「できる人」と言われる人に出会ったことがありません。まずはそこから探さないといけないのか・・・?と考えたりしますが、堅苦しく考えずに、メディアでも、本でも、この人は!と思える人がいたら、取り敢えず、積極的にこちらから会いにいこう!(会えるかわかりませんが)と今は思っています。

本書は、そんな思いにさせてくれた本でした。