先日、テレビ東京で放送された「カンブリア宮殿」にとんかつ「まい泉」の社長が出演されました。
私は銀行員時代の残業の際には、いつも、まい泉のロースカツ弁当を食べながら仕事をしておりましたので、懐かしく、番組を観ました。番組を観るまで知りませんでしたが、もともと、まい泉は小出千代子さんという主婦の方が立ち上げた事業で、1965年10坪の店からスタートし、2000年に売上:60億円を達成。その後、2008年にサントリーに経営譲渡されたとのこと。
番組では、当時の従業員の話しも聞き、創業者のカリスマ性、厳しさ、こだわり(箸で切れるトンカツであり、衣サクサク、中ジューシーで柔らかい)を伝え、サントリー出身の現社長 岡本社長が、経営譲渡された後に取り組んだ人事制度改革を伝えました。
そこで、岡本社長より「サントリーがまい泉を最初から手がけていたら、こんな大きな会社にはできなかった」という言葉に、中小企業の経営の真髄が全て凝縮されています。
世の中には、孫正義氏、稲盛和夫氏のようなカリスマ経営者がいらっしゃいますが、この方々は天才と呼ばれる人たちです。一般的にはなかなかいません。普通は売上規模:100億円まで従業員:100名くらいまでがカリスマ経営者と言われる人が把握できる範囲と思います。これを超えたら、いかに有能な人でも、会社の隅々にまで自分の意思を届けられなくなる。従って、逆に社員のモチベーションが下がってくる。この見極めができる経営者は「引き際」が分かりますが、できない人は権力と地位にしがみつく。
まい泉における、創業者の姿勢、方向性、そして、それを託された大企業に蓄積されたノウハウが永続的に続く会社を作り上げる。それがきれいに合致した形をまい泉は見せてくれました。