村松謙一著作「いのちの再建弁護士」を読んで~いのちの再建と会社の再建~

テレビ東京系列で、反町隆史主演で現在放映されている「リーガルハート~いのちの再建弁護士」の原作本である本書を読みました!

テレビを視聴するまでは、この本の存在を私は知りませんでした。ただ、ドラマの宣伝は見ていたので、興味があり録画しておきました、第一回目の放送では、倒産寸前の水産会社を私的整理、会社分割といった手法で、再生させ、第二回目の放送では、文化財に指定されるくらいの老舗旅館を、民事再生という手法で蘇らせた。まさに会社再建専門の弁護士さんの物語です。

私も経験があるので、よくわかりますが、破産しないで、会社を再建する法的な方法はありますが、その前に、経営者のココロが折れてしまう。容赦のない債権者からの返済圧力、1円でも回収を図るため、応接間に半ば監禁状態とされ、沈黙の続く面談。それが毎日のように続くプレッシャー。

このような状況に陥った場合、弁護士さんはじめ、だいたいの人が薦めるのは、会社破産及び経営者個人の自己破産。

会社破産と経営者の自己破産は、最終的に認められるまでは多少の時間がかかりますが、まずは書面での申請でできるので、それを薦められます。

これにより、経営者は精神的なプレッシャーから開放されますが、私としては、ここに落とし穴があるような気がします。

人間は、極度の緊張状態から開放されると、その反動から、あとはどうでもいい!と考えてしまう人がほとんどです。逆にそこから人生の無駄使いが始まります。

耐え抜いた人間だけが手にできる達成感。これが本当はこれからの人生で最も大切なのに、それを手にする前に諦めてしまっては、それまでの苦労は何だったのか!

そんなときに一番重要なことは、相談相手です。これまで経験してないことを、これから経験していくわけですから、その過程での選択肢はいろいろあると思いますが、それを提示し、意見を言ってくれる人がそばにいるだけでココロ強いものです。

著者の村松さんは、クライアント先の社長の自殺、娘さんの死という困難に直面したことから、経営者のココロに寄り添う弁護士として、この仕事にやりがいを持って取り組んでいらっしゃり、それがヒシヒシと伝わってくる著作となっています。

そんな生きる勇気をもらえる本書はオススメです!!!