藤野英人著作「投資家が「お金」より大切にしていること」を読んで~良い本ですが、実社会向きではないような気がします~

2013年発売された本ですが、2018年5月までに24刷されているので、売れている本と思います。著者は、投資家、ファンドマネージャーとしては実績がある方で、明治大学商学部の講師も長年勤めているとのこと。実績と社会的信用を双方兼ね備えている方です。

著者の座右の銘として、「自他不二」をあげられています。「自他不二」とは、自分と他人をふたつに分けることはできない、という意味。自分の喜びは他人の喜びに繋がり、他人の幸福は自分の幸福につながる。だから、みんなの幸せを考えることが、最終的に自分の幸せを考えることにつながっていく。

これに対し、今の日本は「自他分離」になっている。自分のことさえ良ければいいという考えです。

その通りと思います。

なので、我々一人一人が意識をして「良い消費者」になるように心がけ、お金の使いかたについても、自覚的に使う。

会社についても、同様です。真面目に世の中のために努力している会社しか、成長し続けられない。ポイントは真面目さです。真面目な企業とは、お客さまのため、世の中を良くするために、そこに真摯に向かいあい、努力して成長する企業です。そのためには、安定ではなく、変化すること。変化こそが安定。

著者の言われていることは、正にその通り、私も同意です。

ただ、問題は、こういったことに気づかず、あるいは気づいていても、自分優先で考え、行動する人に対しての対応です。年配者になればなるほど、自分の成功体験でしか物事を考えることしかできなくなるので、厄介です。高齢者が多い日本社会の最大の問題点と思います。

このような方と接すると、時間と労力がドンドン奪われていく・・・

言い方が悪くなりますが、時としては、自分の時間と労力が失われないように避けていくノウハウも必要になると思います。

私は、まずは自分の考え、行動の基本となる考えを確立することが重要と思いますが、同時にまだまだ自分本位に行動する人が多い世の中です。自分の貴重な時間と労力を無駄に費やさないノウハウについても、勉強していく必要がある・・・という意味で、表題に「実社会向きではない」と書きました。よろしくお願い致します。

村上世彰著作「いま君に伝えたいお金の話」を読んで

ご存知「村上ファンド」の村上世彰氏です。2006年インサイダー取引疑惑で逮捕され、懲役2年執行猶予3年の実刑判決が確定した人です。

彼に関しては、そんな表面的なイメージで、「悪い人」という印象でした。なので、以前出版された、彼の「生涯投資家」という著作も一般的には売れたようですが、私は読んではいませんでした。

★★★・・・何かしらの気付きは得られるが、それが、自分の考え、行動まで変えるような影響を与えることではない場合。

では、なぜこの本を読む気になったのか?

題名と本の表紙に記載されていた彼の似顔絵です。

そこから伝わってきたのは、一言で言うなら「過去悪いことをしたけど、改心して投資の専門家が投資の素人に対して優しく、わかりやすくお金のことを伝える本」というイメージです。

まさしく、その通り(過去の事件のことはわかりません。ただ、そのときの風潮と目立ち度合いが大きかったので、それを沈静化するためには、ある意味エスケープゴートが必要だったのでは?と考えられます。その時のエスケープゴートは村上氏とホリエモンだったのではないでしょうか?)の本というより、もっと子供向け、小さい子供がいる親向けの本でしょう。

この本を読んで、村上世彰氏のイメージが変わりました。

「過去悪いことをした」「改心した」などと偉そうなことを書きましたが、そうではなく、時代の流れの中で、エスケープゴート的な役割を演じる必要があったので、たまたまそうなったけれども、実は、もっと素直に、率直に、お金、日本の経済のことを考えていた方なんだという認識を持ちました。

1)お金は血液と同じように循環しなければ、増えない、経済発展しない。そのためには、「コーポレート・ガバナンス」が重要。

2)自分のお金をこれからは、「子供たちがお金と向き合うきっかけになるようなことに使おう」と考えている。

との考えはすごい!と思います。

私は、いろいろなことがありましたので、お金も資産もありませんが、先般ブログでも書きました通り、自分の考え、思いだけでも誰かに引き継いでもらいたい。と考えています。

ブログを書くということも、その一つと思います。書くことを継続し、その考え、思いを具体的にしていきます。