映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を観て

先日、この映画を観ました!

筋ジストロフィーにかかりながらも、自らの夢や欲に素直に生き、愛され続けた実在の人物・鹿野靖明さんと、彼を支えながらともに生きたボランティアや家族の姿を描いた実話です。

★★★★・・・自分の考え、行動に変化をもたらすようなことだが、ショックを受けるまでにはいかないことの場合。

我々人間にとっては、おそらく生きる目的の喪失感が最も精神的にきつい状態になると思います。

この物語の主人公である鹿野さんは、子供のときに筋ジストロフィーと診断され、20歳まで生きるか分からない状況の中にいながら、40歳を過ぎるまで生きた方です。彼は、その間、「生きる目的」を失っていたなら、そんな年齢まで生きなかったように思います。

筋ジストロフィーとは、年齢とともに筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患の総称です。従って、身体が思うように動かない状況が時間の経過とともにドンドン進行していくということで、死に対する恐怖もドンドン増幅されていくはずです。それを跳ね返すだけの「生きる目的」「生きようとするパワー」がなければ、すぐに挫けてしまうでしょう。

鹿野さんの生き方から、私はこのように感じました・・・

1)親・家族ではなく、他人に対して「本音で生きている」~親・家族に対しての本音とは、そこに甘えも一緒に入ってきてしまいますし、楽なことも多々あります。ただ、他人を家族同然と思って、「本音で生きる」ということは、難しいかもしれませんけど、できたら本当の家族以上の繋がりになるような気がします~

2)明日死ぬかもしれないと思っているから、全てのことに「真剣に生きている」

3)「本音」「真剣」だけだと、重い感じになりがちですが、ここに、他人であっても家族と思う気持ちを鹿野さんは持っているので、皆がついてくる。

病気が発症していく中で、彼が選んだ道は全て正しかった。病院、家族に頼らない自立支援介護、アメリカに行くために勉強していた英語、ボランティアの女性に対するプロポーズ、人工呼吸器をつけた後のおしゃべりの練習、カラオケ、パーティー・・・

生きることに対して、「本音」「真剣」「優しさ」が重要であり、生きることへのパワーをもらえた映画でした。