中小企業経営者の心のコンセルジュ~幼少期編6~

さて、高校受験です。受験校の選択は、本人、親、学校の話し合いで決めます。これは今でも変わらないと思います。

これまで、自分の趣味以外のことは、親の言うなりに過ごしてきた私には、行きたい学校とか、将来やりたいこと、夢などは何もありませんでした。唯一は、辛い受験勉強はもうしたくない!ということでした。なので、私の希望する受験校は大学受験をもうしなくてもいい高校(すなわち高校から大学にエスカレーター式で進学できる高校)でした。

一人っ子である私に甘い母親は、それに同意しましたが、父はおそらく日本にいたら(父は商社マンでしたので、海外に一度行ったら、6ヶ月、1年は帰国しなような人でした)反対していたでしょう。ただ、黙って受験するわけにもいかないので、なんとか連絡を取ろうとしましたが、居場所が分からない!仕方なく、私、母親、学校の担任の先生と相談して、高校、大学とエスカレーター式で行ける高校を第一志望に、大学受験のある高校を何校か選んで、受験しました。

私の父は、昔の人で、国立大学以外は学校と思ってない人でした。国立大学と言っても、東大、京大等の超一流大学だけが大学と認め、それ以外の大学はダメ大学と考えるような人です。従って、大学までそのまま行けるエスカレーター式の高校に入ってしまっては、父が大学と認める学校には行かないと宣言するようなものです。(厳密には、エスカレーター式の大学には進学しないで、外部大学を受験するという方法もありますが、なかなか難しい)私が第一志望に決めた学校への受験には反対するに決まってます。

ということで・・・父には受験校を言わないまま、高校受験に望み、見事、第一志望の学校に入学することができました!

ところが、受験が終わって、入学までの春休み・・・事件は起こったのです。

父が1年振りくらいに日本に帰国し、家に帰ってきました。入学する高校のことを報告し、「よく頑張った、おめでとう!」と言われることを期待していましたが、少し予想していた通り、「なんでそんな学校を選んで受験したんだ!そんな学校なんて入学してもしょうがない!」とのこと・・・散々の言われようです。私にしてみれば、海外で連絡がつかない父でしたので、しょうがない!としか言いようがありません。

なんとか母がとりなして、その学校に入学することができましたが、一時は授業料も払わないといった状況でした。

その時は、考えませんでしたが、今思うに・・・

高校、大学です。義務教育ではありません。親に授業料を出してもらって学校に行けることは幸せなことです。感謝するしかありません。また、自分のやりたいことがハッキリと決まっていない段階では、最終的に決める段階で、選択肢が広い方が良いはずです。

もう受験勉強はしたくないという理由だけで、エスカレーター式の学校に行くことは、自分の可能性を狭めることになるだけだと・・・(もちろん、それ以外に志望動機があれば別ですが)

従って、父が怒った理由が今更ながらに理解できたということです。

昨今、会社でも年長者、上司の方が部下に気を使うという逆転現象が起こっているようですが、人生経験の長さは侮れません。先輩、上司の言葉には、素直に耳を傾けるべきと私は考えます。